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『透明人間』主題はマインドコントロール!SF色より狂気の異色サスペンス:コラム的映画あらすじ評価感想・動画配信

2021-06-24

2020年に公開された『透明人間』は、1933年にユニバーサル・ピクチャーズが制作したSF映画『透明人間』を現代風にアレンジした作品で、現代を舞台に先端技術とサイコスリラーが上手く融合したストーリーになっています。テンポよくサプライズも用意されているので、眠くなることがありません

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映画ショートコラム あらすじ中心ネタバレ含む

えーなにになりたい?

どんな技術が現実になってほしい?

とーめーにんげーーーん

って思わず言いたくなる、夢のテクノロジー

そう透明人間!

決して、銭湯に行きたいとかそんなよこしまな考えではないのです

純粋に、技術的にね。

昔の映画では、夢の透明人間になる薬を飲んだりとか、事故で放射性の物質を浴びたりとか、軍事目的の新規開発で失敗したみたいなことではなくて、ここではなんと透明スーツ!

まあ、イメージはホグワーツをくまなく散歩した『ハリーポッター』での透明マントをイメージしてもらえればわかると思います。

そう、『ゴースト・イン・ザ・シェル』、『攻殻機動隊』等の光学迷彩みたいな感じを想像しよう。あんなのが、目の前に会ったら、

欲しいよね絶対。

今回紹介する映画は、そんなんです

2020年版『透明人間』を製作したのは、ブラム・ハウスプロダクション。以前、超ど級おすすめの一本として紹介した『ゲットアウト』(2017)や『ハロウィン』(2018)等、次々と大ヒットホラー映画を世に送り出している制作会社です。

同社は、少ない予算で映画を制作し、監督に創造的な自由を与えるというやり方で大成功を収めている大注目のプロダクションで、主にホラー映画の制作で知られています。

では、簡単にあらすじを・・・

セシリアは、富豪で天才光科学エンジニアのエイドリアン・グリフィンから異常な束縛を受けていた。
ある真夜中、セシリアは妹エミリーの手を借りて自宅からの脱出を図る。エイドリアンから逃げ出すことに成功したセシリアは、知り合いの刑事ジェームズとその娘シドニーのもとに身を寄せる。彼女はエイドリアンに怯えながらも、必死に日常生活を取り戻そうと努力していた。そんな時、エイドリアンが手首を切って自殺し多額の遺産をセシリアに残したと、エイドリアンの弟で弁護士であるトムから聞かされる。
ところがセシリアは、「エイドリアンは自殺するような人間ではない。彼ほどの優秀な科学者なら自殺を偽造するくらい簡単。彼は今もどこかで私を見張っているはず。」と、エイドリアンの精神的な支配から逃れられずにいた。その不安とシンクロするように、セシリアの周りで不可解な出来事が起こり始める。彼女は、「やはり彼の死は偽装だった」と確信する。やがて、彼女と周りの人々は命の危険に晒されていき、ついには妹のエミリーまで殺される。セシリアは、「見えないエイドリアンに追われている」ということを証明しようとするが・・・

主演はテレビドラマ『ハンドメイズ・テイル 侍女の物語』のエリザベス・モス。彼女がセシリアを演じているのですが、その演技がスゴイ!

なんかね、自暴自棄なのか狂気なのか、本当にストーカー(旦那だけど)がいるのか

どっちに転んでもおかしくない演技なわけですよ。

自分自身を見失い、逃げるのがやっとだった弱い女性から、立ち向かうことを決意し強い女性へと変貌を遂げていくセシリアの姿を見事に演じてて、なんか手助けしてあげたくなる。終盤のモスの動きや表情は、観ている私たちが釘付けになるほどに圧倒的な狂気を感じさせます。

まあまあ、手助けしているアフリカ系アメリカンの友達なんかは、娘殴られて

切れてましたからね。

まあ、友達やその娘さんには何も見えていないのだから、しゃーないですね

で、もう一つスゴイのが、富豪で天才光科学エンジニアのエイドリアン・グリフィンの大豪邸。

撮影はオーストラリアで行ったそうですが、冒頭や終盤で出てくる大豪邸の様子に釘付け!

さすが天才光科学エンジニアの豪邸というだけあって、超ハイテクのセキュリティ(セシリアを逃がさないための)や、全面ガラス張りの広すぎる寝室から臨む広大な海。

贅沢すぎる眺望、豪邸に絶句です。

また、ストーリー展開がさすがです!ストーリー自体はシンプルながら、冒頭からの張り詰めた緊張感、二転三転する演出…幾つか、「少し無理があるかなー」という話のほころびはあるものの、それもどうでもいいと感じさせるほどドキドキされてくれます。かなり上質のホラーに仕上がっています。

総じて、この透明人間はSF好きと言うよりはサスペンス好き!な人に向いていると思われますよ。なんといっても、2転3転する状況とラストエンディングまでの気の抜けなさ加減は、SFにはない、ドキドキ感です。

この『透明人間』、異常な支配欲のエイドリアンに、か弱いセシリアが必死で反撃していく復讐劇です。


しかし、最終的にエイドリアンよりもセシリアに圧倒的な狂気を感じることになります。追い込まれすぎて、エイドリアン以上の狂気を見せるセシリア。その最後のセシリアがすごいです。やはりエリザベス・モスの演技が光りますね!見事にエイドリアンからセシリアへ、狂気が置き換えられています。物語開始と同時にドキドキが始まって、ラストのシーンまでホッと出来ません!

観る価値絶対あります!

この2時間の恐怖、ぜひぜひあなたも味わってみてください!

― hogeru -

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