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『不吉な招待状/インビテーション』衝撃のラストで2回味わえる未知の恐怖 ネタバレあり:動画配信・映画感想あらすじ考察

2020-03-01

『不吉な招待状/インビテーション』は2015年アメリカのサスペンス・スリラー映画です。不慮の事故で愛息を亡くしたウィルは、数年来音沙汰の無かった元妻のエデンから招待状をもらう。そこは元自分の住んでいた自宅で、同じく数年会っていない旧友達と見知らぬエデンの知人でパーティーが開かれるが、思わぬ展開にウィルは疑念を深めていく・・・

映画の詳細情報や予告編、タイトル凄い宣伝です。

各映画祭で絶賛の嵐で、その名にふさわしいのか!

たるい展開の序盤から中盤にかけて、ゆるーい展開が続きますが怪しい展開とただの精神傷んでいる系の狭間を行き来しますが、どんどん展開に引き込まれていきます。

この映画は、間違いなく期待して良いです。

ありがちな展開ですが、静かに展開するタイプのスリラーです。

おすすめの作品です。

それでは、以下見ていきましょう

あらすじ ネタバレなし

ウィルとキーラは、数年来会っていない旧友の集いに招待されるが憂鬱な面持ちだ。
ウィルの以前の妻エデンの招きで、エデンとは息子を不慮の事故で亡くしてからお互い連絡をしていなかった。
招待されるのも、以前のウィルの住んでいた家だ。

旧友達と再会を果たすも、エデンとそのパートナーのディビッドはどことなくおかしな感じがする。
部屋に鍵をかけたり、何万ドルもするワインを開けたり、携帯の電波も入らない。
パーティーには、旧友達以外のゲストまでいる。
旧友達は、不穏な空気には気がつかない様子だがウィルには何か得体の知れない緊張感に包まれ
パーティーではおかしな雰囲気のまま時間が過ぎ、予想外の展開を迎えていく・・・

[showTable]

映画情報&キャスト

『インビテーション/不吉な招待状』 2015年 アメリカ
【原題】The Invitation
【監督】カリン・クサマ
【脚本】フィル・ヘイ
    マット・マンフレディ
【出演者】
ウィル(ローガン・マーシャル=グリーン)
 :数年前息子を亡くしたことに心を病み続けている
  今はキーラと付き合っている
キーラ(エマヤツィ・コーリナルディ)
 :ウィルのパートナー(黒人女性)
エデン(タミー・ブランチャード)
 :ウイルの元妻。
  息子を亡くした辛さから、抜け出せずにウィルと別れる
  現在のパートナーはディビッド
ディビッド(ミヒル・ホイスマン)
 :エデンのパートナー
  元、コカイン中毒

超感想中心考察

カルトか癒やしか ネタバレ感想

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怪しい、怪し過ぎます!

タイトルと、最初の入りの展開で映画の行く末を全て暗示しているかのようです。

こういう系列の映画はネタバレ厳禁なのでしょうが、ネタバレするまでもなく怪しいのがわかります。

ラストまでの展開としては全体的にスローな感じで進みます。

ウィルの息子を亡くした事に対する癒やされていない、思い出になりきっていない気持ちと、エデン(元妻)への気持ち(恐らくまで、どこかで愛している)が入り乱れて、それが行き場のない感情として、パーティー内でも蔓延して皆に気を使わせます。

エデンに対しては、息子の死を介して越えられない壁があり、お互い寄り添えない気持ちの方向性がすれ違います。

エデンは薬に溺れていたディビッドをパートナーとして、怪しいカルト教団で「死こそ全てを超越する癒やし」であることを友人達に紹介して、引き込もうとしたりします。他人の死を黙って見送ってあげるしかも、笑顔でなんて・・・ちょっと受け入れられないですよね。普通に!

なんか、このエデンとディビッド二人の笑顔がどっか吹っ飛んだ笑顔すぎです。

この時点で友達なんだから、おまえら怪しさに気がつけよって、感じがしましすが、この人たちみんな心に病み抱えているから見逃しちゃうんですよね。

怪しさを気にしたのは元嫁のエデンに不信まんまんのウィルだけです。

友人達はウィルこそ精神不安定だと思っているので誰も信じてくれません。

それが突然に始まるんです大量殺戮が!

しかも思わぬ方向から。。。。

カルト教団は、おそろしいです!

ホラーまがいのカルト教団ものの『ヘレディタリー/継承』とかそういったものではないです。

本当に自然とまっとうな誘い文句から入ってくる洗脳集団です。

洗脳まがいの誘いまでは良い、自殺までも良い、だって所詮自分達だけでし共感されたなら、そうすればいい。

でも他人を巻き込んで、自分達と一緒に全員で死のうってのは恐ろしすぎます

ラストシーンでは、さらに屋外に出るとLA中で火の手が上がって、パトカーのサイレンが鳴りまくっています。

これは、カルト教団の一斉の行動であったことを示唆しておわりを迎えます。

こういう、なんだかよくわからないカルト教団や集団の、彼らなりの彼らにしかわからない論理って。本当に恐怖で、この映画で感じられる恐怖と、2017年のアカデミー脚本賞を獲得した『ゲットアウト』も方向性が似ていると思います。

常人には理解できない何かがある、カルト集団への漫然とした恐怖を味わえます!

合わせて読みたい『ゲットアウト』

出演者の顔が似すぎです

なんだか、登場人物の顔のタイプが近すぎて、精神性の描写も微妙すぎてついて正直ついて行けませんでした。

ウイルとディビッドなんて、ヒゲだしイケメンだし。

もう少しビビットに差をつけて欲しかったです。

エデンと、ディビッドの友達の女性もなんだか髪が長くて、雰囲気が似てるし。

ゲイのカップルもなんかよくわからないし。

そういう出演者のカントをもう少しつけて欲しかった。

旧友が、どういうこういう関係なのか背景説明があっても良かったように思います。

とはいえ、イケメンばかりですね。

主人公ウイル役のイケメンは、せめてヒゲをとってみると、もっとわかりやすかったのになあぁ

ここは正直導入が似すぎキャラ使わないでほしかったです。

主役のウイルは、そうエイリアンの『プロメテウス』に出てた目が黒くなって最初に感染させられた博士です。目が真っ黒になっていくのが忘れられなく印象的です、そうあの博士はローガン・マーシャル=グリーンが務めます。

ノオミ・ラパス(ドラゴン入れ墨の女!)とHしてた彼ですね。

スパイダーマンの『スパイダーマン:ホームカミング』のショッカー側でも出てましたね。あのマイケル・キートンに光線発射させられてしょっぱなの前半で殺されちゃうショッカーです。

なかなかの、余裕なさそうな・端役をやりましたが今回で要チェックになりました。

合わせて読みたいノオミ・ラパス『セブン・シスターズ』

監督は新鋭の女性監督クサマ(草間?)脚本は夫のフィル・ヘイ

監督は日系の女性監督である、カリン・クサマがメガホンを取っています。『ガールファイト』『イーオンフラックス』『ジェニファーズ・ボディ』等を手がけました。少し社会問題的な匂いを入れた女性を中心として描く作品が多いです。

『ガールズファイト』では脚本までをも務め、カンヌ映画祭の新人作品賞受賞しその他の映画賞も複数受賞しています。

脚本は、カリン・クサマの夫フィル・ヘイが執筆しています。夫婦の共同作業がこんな映画で洗脳軍団の内容を書くなんて・・・フィル・ヘイは『タイタンの戦い』、『イーオンフラックス』などで執筆しているのでアクション等が得意な感じです。マット・マンフレディと共同執筆が多い脚本家です。

映画構成感想

日常に潜む恐怖ってよりは、数年会っていない友人からの突然のパーティー招待ってのが恐怖を駆り立てましたね。

冒頭にヒントが詰まりまくっていましたが、ウィルがコヨーテを車で引いてしまいます!

その時に動物が苦しむよりはって、命を奪ってあげたシーンがあります。

これも凄い伏線で映画全体へのメタファーになっています。

ウイルが行った行為は、亡くなった息子への気持ちや背景があってのことで、カルト教団の死こそ安楽への道に繋がる行動なんですね。

こういう示唆的な部分好きです。

カルトな思想や、伝統的文化価値に妄信した時に見せる、人間の単純な愚かさの表現が凄いですよ

映画でも古くからこういうネタは多いですが、得てして頭のいいハイレベルな人種の人や、およそそんなカルトに関係なさそうな人たちがそう言うことを先導します。

ちょっと、カルトとは違いますがアリ・アスター監督の「ミッドサマー」なんかでも、強烈な地方文化とか伝統価値に基づいたギャクかと思うような中に真実がある価値観の差が恐怖を産みます

何かのオマージュ鹿? シカの死

しっかし、何か動物をひき殺すことってのは宗教とか文化的に何か意味があるのかもしれません。

それともなにかのメタファやオマージュとしてハリウッドでのお約束になっているのか。。。

しかも、車でぶつかって事故を起こすことそのもので映画のタイミングとかストーリー展開を図っている映画がなんと多いことか。

思いつく限りでも、古くは『セブン』ラストシーンで路肩で犬が死んでいるシーン(何もストーリーに意味は与えていないはずなのに立派にシーンとして存在しています)、最近では先ほども紹介した『ゲットアウト』『キュア 〜禁断の隔離病棟〜』、どれもシカと衝突して”死”を意識させます。

合わせて読みたい『キュア~禁断の隔離病棟~』

宗教的価値とか、何か英語圏での文化でシカってのは特別な意味がありそうなのですが、色々調べてもわかりませんでした

そういえば、「聖なる鹿殺し」なんかでもタイトルでは、鹿出てきますよね

日本のアニメですが、「もののけ姫」でも

そういえば、鹿が神様だったなぁあと思いつつ

今度もっとじっくり調べてみよう

男性と女性の考え方の違いを表現

無くなった息子へのアプローチが、男性と女性の視点でこれほど違うのも、恐ろしいですけど、わかる気もします。旧友達も、もっと気ついてやれよってことですよ。

全体的に映画構成が対照的になっていて

伏線がキチンと回収されるので映画を見終わった後にスッキリしましす。

映画の内容では落ち込みますがね!

ホラーとかサスペンスって、よくあるパターンとして

  • 主人公だけ知っている(怪しんでいる)
  • 主人公だけ知らない

完璧に前者のパターンで、分かりやすいです。

部屋の中を勝手に物色して、想像を掻き立てて異常だって騒ぐのはやりすぎですが、結果的にウイルが正しかったですからね。

カルト教団の怖さ

実際にカルト教団や、地域に根ざした宗教を扱った映画は数知れずあります、どれも独特の恐怖で訴えかけてきます。主人公は巻き込まれていくのですが、本作品はその舞台がもの凄く身近なところにあり、しかも元自分の家で展開されるところに何ともいえない恐怖を感じます。

カルトを扱った映画だと、『ウイッカーマン』、『サクラメント 死の楽園』、『ローズマリーの赤ちゃん』あたりでしょうか。

※ウイッカーマンは、「ミッドサマー」に似てるって話はあるものの

本物のカルトは以下サイトでかなりまとめられています。怖すぎです。

海外の評価 2020/03時点

評価は、批評家からかなり高い評価されています。

批評の中身も、 スリラーとしてきっちりと高評価されています。 一般視聴者のほうが高いほうですが、もっと評価されてもいい作品だと思うんですけどね。

エンターテイメント性には確かに一部かけているのが評価の分かれ目なのかもしれません

imdbイメージ画像
Metascore
(批評家)
74
User rating6.6/10
ROTTENTOMATOイメージ画像
TOMATOMETTER
(批評家)
88%
Audience70%

映画の感想まとめ

この映画は間違いなくおすすめできます。

ちょっと、最後の急展開とそれまでの伏線を考えると、人間的にカルト教団どうよ、って胸くそが悪くなりますが、映画としては面白く見られます。

珠玉のミステリーとして、単純ではありますが是非見てみて欲しい作品です。

→カルト系の何をしたいのかわからない恐怖が好き
→自分が錯乱しているかもしれない恐怖が好き
→精神的にダメージを追っている人

こういう人は、絶対この映画おすすめです

独善的評価[5段階]としては
 映像・音楽      4
 キャスト       4
 ストーリー構成    5
 初見で読み取れない謎 4